少年の日の唄

 それは、星の数ほどある歌の中の
 何の変哲もない、ごくごく普通の歌でした

 毎日毎日、飽きもせず君と
 聴きました。
 歌いました。
 弾きました。

 ある日、街に流れた懐かしいその歌に
 わけもなくただただ涙が溢れてきたけれど
 それは、
 悲しいからでも、
 寂しいからでも、
 戻りたいと思うからでもありませんでした

 君に出逢ってから、たくさん
 泣きました。
 怒りました。
 喜びました。
 辛いこともありました。
 それでも毎日幸せでした。

 君と過ごした日々をあれから
 集めました。
 抱きしめました。
 愛し続けました。

 何年ぶりかに奏でたこの歌は
 覚えてますか。
 聴こえてますか。
 届いてますか。
 ねぇ、
 見えていますか。
 見てくれていますか。
 届けていいですか。
 届いていますか。
 聞いていますか。
 聞こえていますか。
 愛していいですか。
 愛してくれていますか。

 これは、
 星の数ほど存在している
 どこにでもある日常に
 星の数ほど転がっている
 どこにでもある小さな歌だけれど

 僕らにとっては

 たったひとつの

 愛しき日々の証でした。
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